お墓とは石碑、納骨室、外柵(お墓を囲む石)が一般的な構造ですが、戒名や法名を刻む霊標・法名碑、燈篭、塔婆立てなど様々な付属品によってお墓が構成されています。 人は、必ず死を迎え人生の終焉の場所として大地に埋葬されます。その後、子孫たちが受け継ぎ過去から現在、未来へと引き継がれていく家族の象徴が「お墓」であるのではないでしょうか。お墓は亡くなられた方のお骨を納める場所となりますが、残された家族がいつでも故人に会って安心できご先祖様、仏様を尊び、自分自身を見つめなおし感謝の念を抱く大切な空間であるといえます。故人やご先祖様へ「生前に言えなかった・伝えたいさまざまな想い・感謝の気持ちを」 お墓を建てる時期についてお墓を建てる時期の決まりはありません。ご家族でじっくりと話し合い、理想のお墓をつくり供養されるのが良いかと思われます。一般的には一周忌、三回忌などの年忌法要・お盆・お彼岸などを節目として建てられることが多いです。 生前墓生前墓は寿陵墓ともよばれ古代中国から伝わり不老長寿を深く信仰した奏の始皇帝がその起源とされ、聖徳太子も生前にお墓を建てたようです。生前にお墓を準備して死後の冥福を祈り、仏事ごとをする行為を逆修ともよばれ長寿以外にも家庭円満、子孫繁栄など縁起の良いことと考えられています。何よりも、生前に自分や家族と時間をかけて検討し、理想のお墓を建てられるメリットがあります。 家族のためにできること生前にお墓を建てる 4 つのメリット 自分らしい生き方を考えるとき自分らしい最期まで考えられる方はどれだけいるでしょうか。もしあなたが最期の瞬間を迎えたとしても残された家族の時間はずっと続いています。生きているからこそ、家族のためにできることがあるのではないでしょうか。 ① 生前建墓で税金対策 被相続人が亡くなった場合、葬式の費用は相続財産から控除され、新しく建てる墓地や墓石などの取得費用は、その控除に含まれません。墓地や墓石を相続税が課税された後の遺産から購入 することになります。つまりご自分の死後の墓石購入費用は、相続税の対象になってしまいます。生前にお墓を建てることで、墓石は非課税財産となり、不動産所得税・固定資産税はかかりません。 ② 祭祀財産の承継 系譜、祭具及び墳墓などの所有者は、祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継し、相続の対象にはならないとされています。(民法897 条) 系譜先祖などの家系を書いた系図のこと 祭具仏像や位牌その他の祭祀に必要な用具で、仏壇、神棚及びこれに付属した用具(仏具のように建物の一部になっている部分は、祭祀財産にふくまれません) 墳墓遺体や遺骨を葬ってある墓碑・ 埋棺 ・ 霊屋などのこと ③ 好きなお墓が建てられる 時間的な余裕のある中、場所選びから大きさ・デザインなど、自分の目で確かめて納得のいくお墓を建てることができます。自分の歩んできた人生の中から、好きな言葉・趣味・職業などからデザインされたお墓は、ご家族のみならずお参りに来られた方々へのメッセージとして残すことができます。 ④ 家族の負担を軽減する ご身内が亡くなられたとき「すぐにお墓を建てたい」と考えても、墓地の立地や環境・交通アクセスまたは予算などの面から、すぐに希望に合うものがみつかるとは限りません。ご葬儀後の様々な手続きを行いながらのお墓探しは、精神的にご負担のかかるものです。生前にお墓を建てておけば、残された家族の負担を減らすことができます。